医師が教えるプロテインの新常識

医師が教えるプロテインの新常識

この記事では、知っているようで、実は意外とよく知られていない、プロテインの新常識について整形外科専門医でドクターメイドプロテインの開発者でもある陣彦善先生が、プロテインの基礎知識から最新の知見、正しい摂り方、選び方まで、分かりやすく解説します。

INDEX

もしかしてあなたもタンパク質不足かも!まずはたんぱく質が不足しているかどうかをチェックしてみましょう!

 

そもそもプロテインって?

プロテイン=タンパク質。タンパク質は3大栄養素と呼ばれるエネルギー源のひとつで、人の体を構成する重要な成分です。私たちの体はタンパク質でできていると言っても過言ではありません。食事から摂ったタンパク質は、最小単位のアミノ酸に分解されてから体に吸収され、筋肉、臓器、皮膚、骨、髪、爪の材料に使われるほか、体の機能を調整する各種ホルモンや食べ物の消化を促す消化酵素、免疫物質になるなど、生きるために欠かせない重要な役割を担っています。

 

タンパク質が足りないと、どんなトラブルが?

まず顕著なのは、筋肉量の減少、筋力の低下です。社会問題にもなっている、加齢により筋力が落ちて身体機能が低下するサルコペニア、運動器の機能が衰え要介護や寝たきりになるロコモティブシンドロームにもダイレクトに影響しています。タンパク質が減少して筋肉量が減ると基礎代謝も下がり、太りやすくなるので、ダイエットにも大敵。ほかに、細菌やウィルスへの抵抗力・免疫力も低下。肌の弾力不足や乾燥、髪はパサつき抜けやすく、ハリやツヤを失い、爪は割れやすくなり、貧血や月経異常のリスクも。ドーパミンやセロトニンの分泌も減少し、集中力の低下やうつ症状、睡眠障害を招くなど、精神面にも悪影響を与えます。体内のタンパク質量は平均寿命と比例すると言われ、元気な高齢者たちは、肉や魚を積極的に摂取している傾向が見られます。

 

私たちは、1日にどれくらいのたんぱく質が必要なのでしょうか

体内で常に分解と合成を繰り返しているたんぱく質。合成と分解のバランスを保つために、食事からたんぱく質を摂取する必要があります。日本人の食事摂取基準(2020年版)で示されている、健康を維持するためのたんぱく質摂取の平均推奨量は、18〜64歳の男性で約65g、女性で約50g。体重×1.2%が目安とされています。おおよその目分量としては、1食あたり、手のひらの大きさと厚み程度の肉や魚を食べ、豆腐・納豆・卵も手のひらサイズを意識したいものです。

 ただし、誤解されがちなのですが、この推奨量は欠乏して病気にならない最低限の量。1日の目標量は、身体活動レベルが普通の男性で、18〜29歳が86〜133g、30〜49歳が88〜135g、50〜64歳が91〜130g。女性は18〜29歳が65〜100g、30〜49歳が67〜103g、50〜64歳が68〜98gです。推奨量とは大きな違いがあります)

 さらに現実は非常に厳しい状況で、日本人の1日当たりのたんぱく質摂取量は、成人女性は66.4g 成人男性で78.8g。1995年をピークに減少し、2010年以降は、戦後すぐの1950年代レベルまで低下。これでは、60代以降はサルコペニアやロコモにまっしぐら、ということに。これからの高齢化社会を健全なものにするためには、20代から目標に近いたんぱく質摂取が不可欠と考えます

 

たんぱく質は、どんな食材に多く含まれていますか?

代表的なものは、肉類、魚介類、卵類、大豆製品、乳製品。100gあたりの含有量が多いのは、肉類は、鶏ささみ(23g)、ローストビーフ(21.7g)、牛もも肉(21.2g)、豚ロース(19.3g)など。魚類は、赤身マグロ(26.4g)、さけ(22.3g)、アジ(19.7g)、タイ(20.6g)、など。卵類は、卵黄(16.5g)、ゆでたまご(12.9g)、生卵(12.3g)。大豆製品は、納豆(16.5g)、油揚げ(18.6g)、厚揚げ(10.7g)など。乳製品は、パルメザンチーズ(44g)、カマンベールチーズ(19.1g)、ヨーグルト(4.3g)、牛乳(3.3g)など。

いかがでしょう。思ったより多いですか?少ないですか? ただし、高たんぱくな食品は、カロリーが高かったり、脂質が多く含まれているものも多く、それを揚げたり焼いたりする調理法でさらに脂質が増えたりハイカロリーになりやすいので注意が必要です

 

プロテインを摂るならどのタイミングがいいのでしょう。

以前は運動後30分以内に、というのがトレーニング業界の定説でした。新しい知見では、プロテインは1回に20〜30g程度しか吸収できないので、できれば1日3回に分けてトータルで60〜100gくらい摂取するのが理想的。1日1回なら、朝がおすすめ。夕食から朝食までは約12時間空くことになり、睡眠中に体内のたんぱく質の分解が進んでしまい、朝はたんぱく質が足りない状態だから、というのがその理由です。忙しい朝も、最低でも10〜12gを目安に摂取を。昼、夜は、主菜や副菜で、肉や魚、卵、大豆類を食べるようにしましょう。そして、摂りすぎのリスクがあることも覚えておきましょう。1回に40gを超えると腎臓や肝臓に負担をかけると言われます。日本人の食品摂取基準(2020年版)において、たんぱく質摂取量の上限は、食事から摂取するエネルギー量の20 %と設定されているので、それを超えないよう注意して。

 

たんぱく質と一緒に摂ったほうがいい栄養素は?

まずはたんぱく質の代謝をサポートするビタミンB6。マグロやカツオなどの赤身魚、牛レバー、鳥ささみは、ビタミンB6とタンパク質を同時に効率よく摂取できる食品です。そのほか、日本人に不足しがちで健康長寿に欠かせない、鉄分、カルシウム、ビタミンDも意識したいもの。栄養は食事から摂るのが大前提で、それがベストですが、忙しくい、余裕がない、外食が多い、時間がないなど、食事のバランスが偏りがちな人は、サプリメントも上手に活用しましょう。

 

DoctorMade®︎プロテインを開発した理由は?

整形外科医として、すべての人に100歳まで自分の足で歩く人生を提案したいと思っています。そのために必要なのが、筋力とたんぱく質です。整形外科を受診する患者さんは、筋力不足で体を支えることができていない方がとても多く、そのほとんどがたんぱく質不足に陥っています。せっかく運動をしても、筋肉の材料となるたんぱく質が足りなければ、筋肉量は減る一方。健康長寿のために、たんぱく質摂取は急務なのですが、ではそれをどうやって摂るか。もちろん自炊して、肉や魚、大豆、卵、乳製品をバランスよく摂るのが理想ですが、高齢者や一人暮らし、忙しく働く世代は、どうしても栄養が偏りがち。その場合、手軽なプロテインのサプリメントをおすすめすることに。もともとプロテインは、1970年代に、食事を取れない病人や高齢者に提供するために開発されたもの。理にかなっているわけです。ところが、市販のプロテインの成分をチェックすると、意味のない添加物がたくさん入っていて、毎日飲み続けて大丈夫なのか不安になる製品も。すべて否定するわけじゃないけれど、より健康を求めるなら、余計なもの、無駄なものが入っていない方がいい。それなら理想に近く、患者さんに自信を持って勧められるプロテインを作ってしまおう、と。

 

DoctorMade®︎プロテインで、こだわったポイントは?

まずは、徹底的なエビデンスベース。一つ一つ、科学的根拠がある成分だけを配合しています。また、たんぱく質は、牛乳を原料としたホエイではなく、大豆を原料とした植物性のソイプロテインを選びました。その理由はいくつかあります。植物性のプロテインは日常で摂りにくいこと。女性ホルモンに近く、皮膚の弾力をサポートし、代謝を上げ、腸内環境を整えるなど、美容やエイジングケア効果が高いこと。また乳糖不耐症の人にもフレンドリーであることも大きな要素です。筋肉増強効果に関しては、ホエイとソイには差がないことも明らかになっています。ホエイプロテインは、吸収スピードが早いというメリットもあるし、動物性と植物性を1:1で摂ることが理想とされているので、毎日の食事で、肉や魚、卵、乳製品を摂り、朝ソイプロテインを飲む、というバランスなら、無理なく続けられるのでは?

 

プロテイン以外の栄養素も配合していますね

プロテインを単体で摂るのは、対処療法のようなもの。元気になるため、きれいになるための栄養素は、ほかにもあります。だからといって、毎日数種類のサプリメントを飲むのは、費用的にも、それを消化する肝臓にも負担がかかる。年齢を重ねると常用する薬も増えるのに、その上たくさんのサプリを飲むのは疲れますよね。プロテインだけでなく、美容とエイジングケアに有用なものを一緒に摂れたら、楽で便利で、美しく元気になれるよね、という発想です。ビタミン、ミネラルのほか、コラーゲン、エラスチン、豚プラセンタ、コエンザイムQ10などをバランスよく配合しています。さらに、最新の長寿研究で効果が認められ医療分野でも注目されるシンバイオティクスを意識して、多種の乳酸菌や食物繊維もプラス。京都の茶葉を使用した抹茶味も好評です。忙しくても、面倒くさくても、とりあえずこれを飲んでおけば安心、と思えるプロテインを作りたかった。

 

最後に、サプリメント選びで大事なことは?

たとえば株を投資するときは誰もが経済のことについて勉強するし、美容が気になる方なら化粧品にどんな成分が入っているか、調べますよね。それなのにサプリメントは、イメージや、CM、口コミで判断して飲み始めてしまう人が多い気がするんです。でも口から体内に入れて全身を巡らせるものなのだから、どんな成分が何のために入っているのか、それは自分に必要なものか、もっとしっかりチェックしてほしい。パッケージの裏には必ず成分表が載っているので、手間がかかるかもしれませんが、リサーチすることがとても大切です。今はネットで何でも調べられる時代です。一人ひとりがリテラシーを高めて、今と未来の健康に正しく投資をしましょう。

 

スポーツ/整形外科専門医
陣 彦善

有栖川整形外科 院長/福岡大学医学部を卒業後、東京女子医科大学病院整形外科に入局。大学病院および関連病院での勤務を経て、外傷処理や人工関節置換術など1000例以上の手術に携わる。東洋医学の漢方や鍼治療、さらには運動療法やサプリメント、アンチエイジングーなど、保存的療法の可能性を広げるための研究と実践に尽力。2010年には運動器の統合医療をテーマに有栖川整形外科を開院し、患者一人ひとりに合わせた治療と予防を提供している。著書には「医師が教える!1分免疫エクササイズ」(世界文化社, 2020)があり、メディア掲載も家庭画報、VOGUE、Turzanなどに数多く取り上げられている。

マガジンに戻る
DOCTOR MADE/ソイプロテイン 750g

DOCTOR MADE/ソイプロテイン 750g

整形外科・美容・内科など各専門分野の異なる医師たちが協力しエビデンスに基づいて開発した完全無添加のヘルスケアプロテインです。